はじめに

新しく迎えた子犬や子猫。小さな体でじゃれたり甘えてきたりする姿に、思わず笑顔になってしまいますよね。でも、同時に「甘咬みが痛い」「家具がボロボロに…」など、次々と現れる“困った行動”に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
実はその多くが、子犬・子猫のごく自然な成長過程に見られる行動。正しく理解して早めに対処すれば、大きな問題になる前に改善する事ができます。しつけを通して築かれる絆は、犬や猫との毎日をもっと豊かにしてくれるはずです。
今回は、その中でも“子犬の甘咬み”に悩む飼い主さんへ向けて、トラブルの原因とその解決法について、わかりやすくご紹介していきます。
子犬の「甘咬み」なぜ起こる?

子犬と暮らし始めてまず直面する悩みのひとつが、「甘咬み」です。遊びの延長で手や足を噛んでくる子犬に戸惑う飼い主さんは少なくありません。
この甘噛み、実は攻撃行動ではなく、あくまで子犬特有の自然な行動であり、まだ咬む力の加減を知らない子犬が、じゃれ合いや好奇心から咬んでしまうだけ。とはいえ、咬むという行為自体を放置してしまうと、将来的な咬み癖や攻撃行動に発展してしまう可能性もあります。
本来、子犬は兄弟犬や母犬との関わりの中で「咬み加減」を学びます。じゃれ合いの中で強く噛んでしまうと、遊びが中断されたり、母犬に叱られたりします。そうして「強く咬むと嫌なことが起きる」ということを自然と学習していくのです。
ところが、子犬がひとりで飼育されていたり、他の犬と触れ合う機会が少なかったり、日中のお留守番が長くてエネルギーを十分に発散できない環境にあると、甘咬みがエスカレートしてしまうこともあります。
遊びの中でストレスがたまり、どんどん咬む力が強くなってしまう――そんな負のスパイラルに陥る前に、日々の暮らしの中で咬みを上手にコントロールすることが大切です。
効果的な甘咬み対処法とは?

“咬みつき抑制”は生後4〜5ヶ月齢までにしっかり教えておくことが重要です。というのも、この時期を境に乳歯が抜けて永久歯に生え変わり始め、顎の筋肉も急速に発達していきます。
その結果、同じように噛んでいるつもりでも、破壊力が一気に倍増してしまうのです。可愛い甘咬みだったはずが、「本気で痛い」咬みつきになってしまう前に、適切な対応でしっかり教えてあげましょう。
ただし、どんな方法であっても大切なのは“家族全員が同じ対応を一貫して続けること”。
対応がバラバラだったり、その日その時の気分で対応が変わってしまうと、子犬は混乱してしまい、学習が進みにくくなります。
「ダメなことはダメ」「代わりにこれならOK」というルールを、根気よく、繰り返し伝えていくことがしつけ成功のカギです。
それではここから甘咬み対策として効果的な具体策を5つご紹介していきます。
どれも今日から実践できる内容なので、ぜひ日常に取り入れてみてください!
人の手足を使わない遊び方の徹底
実は飼い主さん自身が無意識のうちに“咬む機会”を与えてしまっているケースも少なくありません。たとえば、子犬が元気いっぱいに動き回っている時間帯に膝に乗せたり、撫でたりする行為は、一見スキンシップに見えても、実際には咬ませるきっかけを作ってしまっていることがあります。
子犬がすぐに咬んでくるような状況では、素手で相手をせず、必ずおもちゃを手に持って遊ぶようにしましょう。おもちゃを介することで、「人の手は遊び道具ではない」ということを自然と学ばせることができます。
咬む行動を減らすには、“咬むきっかけ”を与えない環境づくりもとても大切です。
おもちゃで遊ぶ時間を十分につくる

子犬は元気いっぱい。毎日エネルギーが有り余っているため、そのはけ口として飼い主さんの手足に咬みついてしまうこともあります。
でも、この行動は、上手にエネルギーを発散させることでぐっと減らすことができます。
- 引っ張りっこ遊びができるロープやおもちゃを使って、人の手足以外のものを咬ませる
- ボールやおもちゃを投げて持ってこさせるなど、咬む以外の運動でストレス発散
- 一人で過ごす時間には耐久性のあるぬいぐるみやコングを与え、退屈防止&いたずら予防
こうした工夫を続けることが子犬との良い関係づくりの第一歩になります。
咬みついたら「あっ!」と言って退室

子犬が人の手や足を噛むのは、犬同士がじゃれ合うときと同じように「遊びに誘っている」サインです。しかし、その誘い方では人とは楽しく遊べないことを、きちんと教えてあげる必要があります。
とはいえ、人と犬は言葉で会話をすることができないため「無視をする」という方法だけでは、子犬にはうまく意図が伝わらないことがあります。
そこでおすすめなのが、噛まれた瞬間に低めの声で「あっ!」と言い、そのまま部屋から出て子犬の視界から消える方法です。
「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなる」と子犬が理解できれば、行動は自然と減っていきます。
部屋を離れる時間は10~30秒程度で十分。短くても、咬んだ行動と結果を関連づけることが大切です。
しつけ成功のポイント
- タイミングは“咬んだ瞬間”
咬む行為と退室をしっかり結びつけるため、間をあけずに「あっ!」と声をかけましょう。 - 声は低めに落ち着いて
高い声は子犬を興奮させる場合があります。低めの声の方が興奮を落ち着かせる効果があり、意図が伝わりやすくなります。 - 家族全員で統一する
誰かが別の対応をすると、子犬は混乱して学習が進みにくくなります。 - 叩く・怒鳴るなどは絶対NG
恐怖や不信感から、本格的な攻撃行動に発展する危険があります。
子犬の咬みつきは対応を誤ると癖になってしまうこともあります。正しい方法で、安心して人と暮らせるマナーを身につけさせてあげましょう。
犬同士のふれあいで学ぶ社会化

同じ年頃の子犬や、遊び好きな成犬と遊ばせることは、人への甘咬みの頻度を減らし、咬み加減を学ばせるうえでとても効果的です。また。犬同士のコミュニケーション方法を学ぶ良い機会にもなり、社会化の促進にもつながります。
しかし、相手選びには注意が必要です。
- 追いかけ回すタイプの犬と怖がりな犬を一緒にすると、怖がりの犬がトラウマを抱えてしまう可能性があります。
- 体格差が大きい場合、大きな犬が悪気なく押し倒してしまい、小さな犬をケガさせることがあります。
- 中には、近づいてくる子犬に対して攻撃的に振る舞う犬もいます。
そのため、犬の性格や相性をしっかり見極めて遊ばせることが大切です。
安心して犬同士の遊びをさせたい場合は、パピークラスのように経験豊富なスタッフが見守り、必要に応じて介入できる環境がおすすめです。安全な場で遊ぶことで、楽しく学びながら犬同士の社会性を育てることができます。
子犬が遊び疲れた後のスキンシップ

子犬とのスキンシップは、遊びの最中だけでなく、落ち着いた静かな時間にも取り入れることが大切です。
子犬が横になってうとうとし始めたタイミングで、そっと優しく撫でてあげましょう。
こうした時間を繰り返すことで、子犬は「人に撫でられるのは心地いい」と学び、穏やかなスキンシップを楽しむようになります。
また、ふれあいだけでなく、好物を使った「お座り」「伏せ」などの基本的なコマンドトレーニングや、ちょっとした芸を教えることも有効です。
これらのトレーニングは、遊び感覚で楽しみながらも、人との正しい接し方やルールを学べる貴重な機会になります。
まとめ
子犬の甘咬み対策や社会化には、正しい方法でのしつけと安全な犬同士での遊び、そして飼い主さんとのスキンシップが欠かせません。
咬んだ瞬間に低めの声で「あっ!」と伝え、短時間退室することで、咬むと楽しい時間が終わることを学びます。
さらに、相性の合う犬と遊ぶことで咬み加減や犬同士のルールを覚え、社会化が進みます。
遊び疲れて静かになったときには、優しく撫でてふれあうことで、人との関係もより深まります。
この小さな習慣の積み重ねが、将来の安心で楽しい暮らしにつながります。
ぜひ今回ご紹介したポイントを、子犬との幸せな毎日に役立ててみてください!


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